グローバルなパソコン雑誌

WIRED

雑誌というものは案外国内だけで発行されているものです、日本でも日本だけでしか発売されていない雑誌がほとんどとなっていますがそれは世界共通していえることです。これはもちろん言語の差異といった文化的なものもありますが、様々な傾向で発売している雑誌というものもあるでしょう。雑誌を見るだけで時にはその国のことが何となく分かるかもしれない、なんてことがあってもおかしくないかもしれません。

でも国内だけで発行している、とは一概には言えません。特に今回特集しているパソコンというものは元々日本ではなく海外から誕生したものが、日本に流れて込んできたというところがありますから当然向こうの知識の方が日本のそれとは先端的に異なっている場合があります。そういったパソコン分野における情報誌において日本を含む世界5都市で刊行されている『WIRED』という雑誌について次はお話をしていきましょう。アメリカにおいて1993年に刊行され、日本では翌年発売されることになる雑誌となります。当初こそ雑誌のみで運営されていましたが、その後はウェブサイトでの情報掲載、電子書籍での雑誌閲覧といったマルチメディアな方面へと進出することになります。利用者が増えれば増えるだけ、その人にとって一番活用しやすいもので雑誌を利用してほしいという意図があるのかもしれません。実際に雑誌を持つことで場所もとってしまうので、そういったことを煩わしく思ってしまう人にとってはウェブサイトや電子書籍などを活用してコンパクトな身の回り生活を心がけている、なんて考えている人もいるでしょう。電子書籍に関しては購読できる期間というものが限られている場合もあり、ウェブサイトも情報をバックナンバーとして閲覧することは可能ですが、雑誌単体として購入していればいつでもどこでも詠むことのできるという事を考えたら、どの都合が一番自分に適しているのかは自分達のライフスタイルに合っている方法で選んでいいと思います。時代によって人々のニーズに答えなくてはならない、出版社としてもそんな選択肢を選ばせるといったことに力を注ぎ込まなければならない時代になってしまったと改めて痛感します。

アメリカ版WIREDについて

時代の特色に応じた変化を取り入れる必要がある、そんな時代が到来することをWIREDは事前に掴んでいたとも言われています。現にこちらのWIREDにおいて時代を象徴するようなキーワードを提唱して来たという実績があるのです。刊行していた1993年からデジタル業界がこの先において人類に革命をもたらす存在になるであろうと踏んでいたことから、こうしたデジタル分野において意味と文脈を与えることで『究極のラグジュアリー』だと、創刊号の中で宣言しているのです。この頃は丁度Windows95が発売されてから数年が経過した頃となっています、確かに日本においてもまだその当時はパソコンという商品は一部の家庭にしか存在しない贅沢品というものでしか分類されていませんでしたが、それでもいずれがデジタルに人類すべてがかかわることになると踏んでいたところを見ると、業界として考えるだけでも先見の目としては十分機能していたと言えるでしょう。しかもこの頃は『WWW』がスイスで開発される直前だったこともあってますます時代を先んじて先手を取った雑誌といえるのではないでしょうか。そういう天から考えると、日本的な言葉で表現するならこちらのWIREDは勝ち組という言葉で表現できるのではないでしょうか。

日本版WIREDは波乱万丈

アメリカでそんな先駆的に登場したWIREDは翌年の1994年にから正式に国内で刊行されることになりましたが、当時はアメリカで特集されていた翻訳記事だけという状況でした。逆輸入的なもので入ってきたパソコンという分野であるためにしょうがないと言えばしょうがないですが、その後は徐々に日本独自の記事も増えていくことになり日本らしい雑誌として特色を付け加えていくことになります。その後も刊行していくと思いきや、1998年に突如として休刊が発表されてしまいました。現在でもその休刊にまで至った明確な理由は公表されていませんが、発行元の会社が事業を縮小したことといった複数の要因があげられていますがどれも確信をつく内容となっていないために、詳細は不明となっています。どうしてもこういった出版事態を止めることになる事態に対して理由を述べないということになったら、やましいことをしていたのではと勘ぐってしまうのは誰でもそうではないでしょうか。逆にこういったことをしてしまうと反社会的なことをしていたのではと、疑ってしまいそうな人が出てきてもおかしくないと思いますがそれでもやむなし、もしくは身内のこととして処理してしまってしまうからこうした事態になってしまうのかもしれません。

しかしその後日本版WIREDは2011年にコンデナスト・ジャパンよりビジネス誌『GQ JAPAN』の特別増刊号としてvol.1が発売され、新たなウェブサイトも立ち上がるという再起を果たすことに成功したのです。その後は年四回刊行することも決まり事業としても軌道に乗っていると見えることから、やはり内容的なものとしては捨てるには惜しいものだったということなのかもしれません。なんにせよ、パソコン雑誌という一つの業界で休刊に追い込まれてしまった雑誌が再び日の目を浴びることが出来たと考えたら、喜ばしいことではないでしょうか。